■カラーリング用語の基礎:初級編

更新日:07.8.4 ※暫定アップです。

カラー剤の種類、原理について知りたい方は日本ヘアカラー工業会
以下のページが図入りでわかりやすく、オススメです。
●ヘアカラーリング剤の種類〜ヘアカラーリングを選ぶときの参考に
●ヘアカラーリング剤-ヘアカラーリング剤のタイプ別特徴

その他の参考になるサイトは■カラーリング解説サイト・お役立ちリンク集で紹介しています。


●黒髪用ヘアカラー

【明るい色に仕上がる黒髪用ヘアカラー】

アルカリ性、ジアミン系→パッチテスト必須
使用後は地毛より明るくなる。市販ヘアカラーのほとんどがこれ。
髪を少しブリーチしつつ、同時に色素を入れる。明るい色に仕上げるため脱色作用をもっている。
ブリーチした髪に使った場合、染める前以上に明るく仕上がる。
繰り返し使うとそのたびに明るくなって行ってしまうので注意。
色みがキレイに出るよう、原色(赤や緑や青など)が強く配合されている傾向があるので
極端に明るい髪に使うと緑や紫が強く出すぎる場合がある。この場合は反対色を混ぜて調整する。
配合されている酸化染料がかぶれ・アレルギーの原因になるので毎回パッチテストを行う必要がある。

※ギャツビーブリーチカラー、メンズパルティブリーチカラー、他メーカー製も
全て「(ブリーチ作用をもっている)明るく染まるヘアカラー」。
”ブリーチカラー”はメーカーが勝手につけた商品名で、中身は他社のヘアカラーと何も変わらない。
脱色のみの「ブリーチ」とは別物。

【暗い色に仕上がる黒髪用ヘアカラー】

アルカリ性、ジアミン系→パッチテスト必須
俗に「ターンカラー」「黒染め」とも呼ばれる。染める前より暗くなるもの。
ブリーチ力はほぼ無いが、オキシドール=過酸化水素と混合する点は普通のヘアカラーと同じ。
髪が傷む点についても同様。ブリーチした明るい髪に使うと透明感のある茶髪などを楽しめる。
ブラックを使うと不自然なほど真っ黒になりがちなので、自然に暗くしたい場合は
ダークブラウンなど一段明るめを使うと良い。
皮膚やツメにつくと染まりついて落ちにくいので注意。

●白髪用ヘアカラー

アルカリ性(中性も有)、ジアミン系(→パッチテスト必須)と金属染料系(お歯黒式/オハグロ式)がある。
ウォーム系(暖色系)・マット系(赤みを抑えた緑系)・ナチュラル系(ブラウン)・イエロー系などに分かれる。
白髪というごく明るい髪に使われるため、原色度は押さえてあり茶色の色素を多く含んでいる。
そのため黒髪用ヘアカラーのように真緑になったりはしにくい。
ただし白髪と黒髪では髪の構造が違うので、白髪に使った場合とは仕上がりが異なる事も。
オキシドール=過酸化水素と混合する点は普通のヘアカラーと同じ。

金属染料系(マロンマインドカラー)はジアミン無配合だが、髪質が変化して
パーマがかかりにくくなったりする。


●ブリーチ剤、脱色剤

アルカリ性。 ブリーチ=脱色作用のみの薬剤で、染める=色素を入れる作用はまったくない。
髪のメラニン色素を分解して明るくするだけのシンプルなもの。
色素は一切入ってないので、仕上がりのトーンは地毛の質・メラニン比率に左右される。
※髪の持つメラニンは2種類あり、人によって含有比率が違う。
赤っぽくなりやすい人と黄色っぽくなりやすい人に分かれる。
脱色していくと黒→茶→赤みのオレンジ→黄みのオレンジ→濃黄→黄→淡黄となっていくのが基本。
ブリーチ剤だけで白にするのは無理。(別途、青や紫系のトナーが必要)

1剤式(ミスト・泡タイプ)→2剤式(1剤+2剤を混合)→3剤式(1&2剤+パウダーを混合)の順に
脱色力が強くなる。脱色力が強いほど傷む。時間調整で抜け具合を操作することも可能。
ミスト・泡タイプの効果はオキシドールとほぼ同じで非常に弱い。
髪につけて数時間は放置、これを数日繰り返す必要がある。

いずれも薬事法でパッチテストは不要とされているが、かぶれる場合も当然あるので
気になる人は実施すること。
使用中にかゆみや腫れ、灼熱感を強く感じたらすぐ中止して洗い流す。その後も症状が続くなら皮膚科へ。
2剤式・3剤式を続けて使うと頭皮も髪も非常に傷むので無茶は禁物。
3剤式のパウダー(促進剤)は過硫酸塩という強い薬剤のため、使用には注意が必要。

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●ヘアマニキュア、セミパーマネントヘアカラー:Semi-Permanent Hair Color

1剤式、パッチテスト不要。酸性で髪を傷めない(=キューティクルを引き締める作用がある)。
ブリーチ力(脱色力)はゼロ。メラニンを分解せず、単純に色素をプラスするだけなので
髪を明るくすることは出来ない。
(たとえば黒髪→茶髪にする=髪自体を明るくする「トーンアップ」は無理)
イメージとしては色付きの透明なセロファンをのせるような感じ。
黒髪に使うと、光が当たったときだけ色味が感じられるようになる。
色の出方は地毛の明るさに左右されるので、真っ黒な髪だと発色は期待できない。
主に黒髪用と白髪用に分かれる。
海外では「Semi(Demi)-Permanent Hair Color」の名称で販売されている。
退色した髪への色素補充に◎。スカスカになった髪の隙間を埋める効果があり、ツヤも出る。
色持ちは髪の傷み具合によってかなり左右されるが、数日〜3・4週間程度。
肌やツメについたまま放置すると落ちにくいので注意。

【黒髪用】原色度(赤や緑など彩度の高い色)が強く、ピンクや青などの濃い色が自由に楽しめる。
入手しにくいが絵の具感覚で色数豊富、なんでもあり。

【白髪用】白髪を目立たなくさせるのが主目的のため、原色度はおさえてあり茶色〜黒が基本。
少しだけ原色のニュアンスが入るモノも。
(ダリヤ製「植物染料配合のヘアマニキュア」のパープルは例外的にド派手な色。液色は強烈な紫)
うまく使えば黒髪や茶髪にも有効。明るい髪に使うと色素が足される分だけトーンダウンする。

ドラッグストアで買える大手メーカー(花王、ダリヤ、ホーユー)のヘアマニキュアは全て白髪用。
黒髪用は業務用や海外製になる。通販や美容室、マニアックな品揃えの店でないと入手不可。
「黒髪用」と明記していないものが多いが、派手な原色のバリエーションだったら黒髪用、
茶系〜黒のバリエーションなら白髪用と判断できる。


●イオンカラー

最近よくトリートメントに配合されているカラー剤。 成分に「塩基性××」「HC××」と入っていたら大体コレ。
染色力はかなり弱いがトリートメント感覚で手軽に使える。
※クイスクイス デビルズトリック、ナチュールバイタルヘアマスクは「ヘナ配合」とあるが
ヘナ染めではなくケミカル染め。「イオンカラー」の分類になる。

メリット&デメリット:
○ヘアマニキュアと違って肌に色がつきにくい
 (ただし液が付着したままにすると染まりつくので、すぐ石鹸で落とすこと)
○シャンプーのついでに使うので非常に手軽
○トリートメント効果に優れているものが多い(リンス・トリートメント代わりに使える)
○染色に要する時間が短い(3分〜5分程度でOK)
○色の入り方がおだやかなので失敗しにくい
○黒髪用マニキュアに比べると入手しやすい
 (石澤研究所のクイスクイス デビルズトリックなどが有名。薬局や雑貨店で買える)
○すぐ色を変えたくなった場合はブリーチでわりと簡単に落とせる

×黒髪や白髪には染まらない
×ブリーチ作用はないので明るくはできない(地毛に軽く色が乗るだけ)
×ヘアマニキュアに比べると発色が悪い。数回使わないと効果が実感できない場合も
×色持ちもマニキュアより劣る。数日〜1週間くらいで落ちる
×傷んでいる所に色が入りやすい性質があるので、傷み方がムラになってたり
 髪色が明るいとムラが目立ちやすい(毛先だけ派手に色が入ったりする)


●ペーハー(pH)調整剤

ブリーチすると髪や頭皮の環境がアルカリに傾く。シャンプーしただけではそれは変わらない。
そのままカラーしたりすると色持ちがグンと悪くなり、髪の傷みも激しくなる。
美容院ではブリーチ後にペーハー調整剤という、アルカリ分を中和して弱酸性に戻す薬を使うことが多い。
家庭で簡単に真似するならクエン酸水や薄めた酢などでリンスすると良い。
ブリーチを洗い流した後につけて10分程度放置し、洗い流して乾かせばOK。
お酢なら洗面器か手桶に湯をいっぱい入れ、そこにさかずき1杯分程度を混ぜる。
クエン酸なら小さじ1杯程度。(どちらも入れすぎないよう注意。使用後は必ず洗い流すこと)
リンゴ酢などは香りも良いのでおすすめ。
お酢やクエン酸を使ったリンスのレシピは沢山あるので検索してみて。

Part33の情報より:
サロンで使われる業務用ヘアカラーが傷みにくいのは、アンモニア配合で
成分が揮発するようになっていて、髪に有害な成分が残りにくいから。
ニオイはちょっときついけどダメージは軽くなる。
セルフカラー用は独特のニオイを嫌う人が多いため、匂わない=傷みやすくなってる。
髪に残った過酸化水素(オキシ)の除去も業務用を使わないと無理なのでよけいに傷みやすい。
除去剤の一例としてはこんなものがある。

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過酸化水素配合薬剤処理後の残留した過酸化水素を分解することで、
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3つの効果により、毛髪を健康な状態に近づけます。(1000ml・業務用)

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酵母エキスの抗酸化作用により活性酸素を補捉したり、
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施術後のダメージから毛髪を守ります。



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